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Japan

世界初、液化水素運搬船用カーゴポンプの型式承認を取得


授与式の様子 授与式の様子
左:日本海事協会 常務理事 松永 昌樹 様
右:荏原 エネルギーカンパニー 水素エネルギー事業統括部長 塚本 輝彰

荏原製作所(以下:荏原)は、2026年6月16日付で液化水素運搬船用カーゴポンプ(以下:本製品)の型式承認※1を一般財団法人日本海事協会(以下:ClassNK)より取得しました。
なお、液化水素運搬船用カーゴポンプの型式承認は世界初※2となります。

1. 背景とねらい

水素は、脱炭素社会の実現に貢献する次世代エネルギーとして期待されており、その普及には、製造から輸送、利用に至るサプライチェーン全体の構築が不可欠です。なかでも液化水素は、気体の水素を−253℃まで冷却・液化することで体積を大幅に小さくできるため、大量の輸送・貯蔵に適しています。一方で、−253℃という極低温を安全かつ確実に取り扱う高度な技術が求められます。
こうしたなか、液化水素運搬船は商用化実証に向けた建造プロジェクトが進められており、本格的な水素サプライチェーンの構築を見据え、極低温環境下での運転に対応する高い信頼性を有する各種コンポーネントや材料への需要が急速に高まっています。
そこで、荏原は「持続可能な社会づくりへの貢献」の実現に向け、水素サプライチェーン「つくる・はこぶ・つかう」において、グループで保有する技術・事業の活用に取り組んでいます。長年培ってきた極低温ポンプ技術を液化水素分野に応用し、ポンプの開発を進めてきました。

2. 概要

今回型式承認を取得した本製品は、液化水素運搬船において液化水素の荷役(陸上タンク等への払出)を担う舶用ポンプです。沸点が−253℃という極低温の液化水素を安全かつ安定的に昇圧・移送できるよう設計しています。

ポンプの配置イメージ

船舶に搭載される機器は、過酷な運航環境に耐えることに加え、就航後の修理や交換が容易でないため、高い信頼性と耐久性が求められます。そこで、ClassNKなどの船級協会は、海洋環境を考慮した設計・構造や、使用材料の液化水素への適合性を審査しています。
また、液化水素運搬船用カーゴポンプの品質確保には、搭載前の実液による性能確認が欠かせません。本型式承認の取得にあたっては、−253℃の液化水素(実液)による実スケールの性能試験を、当社が千葉県富津市で一部試験設備の運用を開始した製品試験・開発センター「E-HYETEC」(2026年竣工予定)にて、実施しました。
これらが認められ、この度の世界初の液化水素運搬船用カーゴポンプの型式承認に至りました。また、これにより、品質を確保した製品を計画通りに供給できるため、液化水素運搬船の建造プロジェクトの円滑な遂行および水素サプライチェーンの構築に貢献します。
 

承認機関一般財団法人 日本海事協会(ClassNK)
取得日2026年6月16日
対象製品液体水素用ポンプ(型式:LHS0404)
用途液化水素運搬船における液化水素の荷役
主な仕様設計圧力 0.37 MPa(揚程:350m) / 最大定格流量 350m3/H
試験設備製品試験・開発センター(E-HYETEC)
※実スケールの液化水素実液試験に対応

3. 今後の展開

液化水素の商用化が本格化するなか、海上輸送をはじめとする水素サプライチェーン全体で、極低温に対応した高信頼性機器への期待は一層高まると見込まれます。
荏原は、本型式承認で得た知見を活かし、水素を利用する船舶に向けた機器の供給を通じて、海運分野の脱炭素に貢献していきます。

 

ー 荏原グループについて ー

荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づき、事業活動を通じて社会課題を解決し、持続可能な社会の実現と企業価値のさらなる向上を図っていきます。


※1:型式承認(Type Approval):船舶に搭載準備する前に、その使用に関してあらかじめ船級協会の承認を得ることが規則等で定められている船用機器等について、あらかじめ代表的な個品に対して審査、試験及び検査を行い当該規定に適合していることを製造者に対して証明する制度。液体水素用ポンプについては、2024年12月26日の鋼船規則GF編及びN編の改正により2025年1月1日以降建造契約が行われる船舶に搭載されるものに対して型式承認の取得が要求される。
※2:2026年6月17日時点、IACS加盟船級協会の公開情報の確認に基づく当社調べ。