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Japan

液化水素サプライチェーン商用化実証国内基地向け液化水素昇圧ポンプおよび極低温水素リターンガスブロワを一括受注
〜基地運用に不可欠な液・ガス双方の主要回転機器をワンストップで提供し、受入基地全体の安定稼働を実現〜


納入予定の液化水素ポンプと同型式の製品(千葉県富津市実液試験場内) 納入予定の液化水素ポンプと同型式の製品(千葉県富津市実液試験場内)

荏原製作所(以下:荏原)とグループ会社の株式会社荏原エリオットは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)の支援を受け、日本水素エネルギー株式会社が主導する「液化水素サプライチェーン商用化実証(以下:本実証)」において、液化水素国内基地(以下:川崎LH2ターミナル)建設のメインコントラクターである川崎重工業株式会社より液化水素昇圧ポンプおよび極低温水素リターンガスブロワを受注しました。
本受注は、川崎LH2ターミナルの稼働に不可欠な機器を荏原がトータルソリューションとして提供するものです。

1. 背景とねらい

水素は燃焼時にCO2を排出しないクリーンエネルギーとして、カーボンニュートラル実現には欠かせないと言われています。現在、日本における2030年の水素供給コスト低減に向けた大規模な商用化実証が進められており、その拠点として神奈川県川崎市に川崎LH2ターミナルの建設が進行しています。
荏原は、NEDOの助成事業を活用して技術開発を推進し、2022年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場において、世界で初めて大型遠心式液体水素ポンプの実液試験に成功しました。宇宙開発レベルの極限環境で実証された高い信頼性と技術力を背景に、本実証プロジェクトの成功に貢献します。
また、本受注における最大のねらいは、単体の機器提供にとどまらず、「液化水素昇圧ポンプ」と「極低温水素リターンガスブロワ」をセットで提供するトータルソリューションの確立です。基地運用に不可欠な液・ガス双方の主要回転機器をワンストップで提供することで、受入基地全体の熱バランス維持と安定稼働を支えます。

2. 製品概要

(1)液化水素昇圧ポンプ
液化水素貯蔵タンクから払い出される液化水素を所定圧力まで昇圧し、下流設備へ安定的に供給する世界最高圧力の高圧ポンプです。昇圧・移送目的の達成に必要な台数を4台に抑えることで、プラントの省コスト化、省メンテナンス、リスク低減に寄与します。

台数直列4台
全揚程最大 3200m
流量最大 54.3m3/h
運転温度最低 -253℃
納入予定2029年5月
納入場所神奈川県川崎市川崎区扇島 液化水素基地「川崎LH2ターミナル」

(2)極低温水素リターンガスブロワ
設備内で発生する低圧ボイルオフ水素ガスを回収・循環させ、液化水素運搬船の貨物タンクを含む陸船間のガス系統の圧力バランスを維持する圧縮機です。従来困難であった極低温域での遠心式ブロワ技術を世界で初めて社会実装します。基地内のガスを効率的に船へと返送させることで熱侵入を最小限に留め、水素ロスを低減します。

台数1台
圧力最大120kPaG
流量最大13000m3/h
運転温度最低 -240℃
納入予定2028年5月
納入場所神奈川県川崎市川崎区扇島 液化水素基地「川崎LH2ターミナル」
液体水素受入~発電用燃料水素供給プロセスフロー図 当社供給範囲について 液体水素受入~発電用燃料水素供給プロセスフロー図 当社供給範囲について

3. 今後の展開

荏原は現在、千葉県富津市において、液体水素ポンプの実液試験設備を完備した世界初の実スケール商用製品試験・開発センターの建設を進めています(2026年夏 竣工予定)。荏原は今回受注した製品について、同センターで液化水素を用いて試験し、設計揚程・流量特性の再現性や極低温環境下での安定連続運転性を検証の上、納入いたします。
水素サプライチェーンの構築には、機器の長期的な信頼性が不可欠です。今回の受注製品は、液化水素受入ターミナルでも特に重要な「水素をつなぐ」役割を担います。
荏原は、水素関連技術の革新を通じて、脱炭素社会の実現を牽引していきます。

 

ー 荏原グループについて ー

荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づき、事業活動を通じて社会課題を解決し、持続可能な社会の実現と企業価値のさらなる向上を図っていきます。

 


※ 2026年3月現在、当社調べ