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Japan

−253℃の液化水素を用いた昇圧ポンプ運転試験に成功
〜 世界最高圧力※1を達成。大規模水素サプライチェーン構築と供給コスト低減に貢献 〜


pump_image 試験で使用した昇圧ポンプ

荏原製作所(以下:荏原)は、この度、−253℃の液化水素(実液)を用いた昇圧ポンプ(以下:本製品)の運転試験を実施し、想定通りの流量および圧力性能を発揮することを確認しました。
荏原は、将来の水素供給コスト低減に必要な高圧化・大流量化を実現するために2019年から本製品の開発を進めており、特に今回の試験では、遠心ポンプによる昇圧量として世界最高圧力※1 となる2.3 MPa(揚程 約3,350m)を達成しました。これにより、水素発電の商用化に不可欠な、極低温の液化水素を効率的かつ安全に供給する、より大型で高圧なポンプを開発・製造するための技術の確立に向けて大きく前進しました。

1. 背景

近年、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素の活用が不可欠とされており、水素サプライチェーンの構築が進められています。そのような中、特に今後構築される大規模な水素サプライチェーン(水素受入基地や水素発電所など)においては、液化水素を供給するために、7MPa級の高い供給圧力を実現する昇圧ポンプが必要とされています。
現在、高圧力を実現するためには、ポンプを複数台直列に配置して段階的に昇圧するシステムが検討されていますが、システム全体の効率化と設置面積縮小のためには、ポンプ1台あたりの昇圧能力を高めることが課題となっています。
荏原ではこの課題の解決に向けて、長年培ってきた流体、熱、振動、高速回転などの技術を活用することで、高圧化、大容量化、高効率化を図り、本製品のスケールアップを見据えた開発を推進しています。

2. 試験結果

本製品は、流量53m³/hにおいて2.3MPa(=約3,350m)を発揮する高圧設計を採用しており、−253℃の液体水素を用いた実液試験においても安定した連続稼働を確認しました。

3. 今後の展開

荏原は、今回の運転試験で得られた実測データを利用し、将来的には最小限のポンプ台数で要求圧力を達成できることを目指し、液体水素昇圧ポンプのさらなる価値向上に向けた開発を進めていきます。
これにより、水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」全てのプロセスにおける需要拡大に対応していきます。


ー 荏原グループについて ー

荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。

 

ご参考:
世界初の液体水素昇圧ポンプの開発に成功(2023年2月24日付 当社ニュースリリース)
−253℃と向き合った先に見たもの 世界初「液体水素昇圧ポンプ」誕生の歩み(当社「荏原のものづくり」サイト内)


※1:2026年2月現在、当社調べ(液化水素を用いた昇圧ポンプの公開情報に基づく)