荏原製作所(以下:荏原)は、宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)が企画競争公告を行った「2025年度 スターダストプログラム デジタル信号処理に対する高効率排熱システムの研究開発 二相流排熱システム向け性能確認用ポンプの試作(そのア)(以下:本件)」の契約相手方の一社として選定され、ポンプ試作契約を締結しました。
JAXAで開発中の人工衛星用高効率排熱システムにおけるポンプ試作契約を締結
~ 宇宙機向け排熱システム用ポンプ開発に着手 ~
1.背景とねらい
本件は、日本の宇宙開発利用を加速するための戦略的な研究開発プログラム「内閣府宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」のプロジェクトの1つである「デジタル信号処理に対する高効率排熱システムの研究開発(以下:本プロジェクト)」に関連するものです。
今後、5G/6G通信などが普及すると、人工衛星はさらに高性能な電子部品で構成する必要がある一方、発熱による故障の増加が想定されています。そのため、今後の人工衛星では、宇宙空間での効率的な排熱が求められており、JAXAにて高排熱能力を有する二相流排熱システムの研究開発が行われています。そのような中で、本システムの主要構成部品の1つである冷媒用ポンプについては、国際競争力強化のために国産化が急務とされており、今回、当該ポンプ試作のための企画競争公告が実施されました。
荏原は、ロケットエンジン用電動ターボポンプやスラスター向けポンプなどの開発で培ってきた宇宙向けポンプの技術を活かすことで本件に貢献できると考え、本企画競争へ参加し、契約締結に至りました。
2.概要
今回開発するポンプは、人工衛星の熱を調節する冷却システムの心臓部にあたります。ポンプが冷媒を循環させることで、衛星の安定した稼働を実現します。
荏原は、本契約に基づきポンプの設計と試作に着手し、2026年3月末までにJAXAへ納入します。
| 件名 | 2025年度 スターダストプログラム デジタル信号処理に対する高効率排熱システムの研究開発 二相流排熱システム向け性能確認用ポンプの試作(そのア) |
| 契約日 | 2025年10月17日 |
| 履行期限 | 2026年3月31日 |
3.今後の展開
今回のポンプ試作を第一歩とし、将来的には日本の次世代通信衛星をはじめとする宇宙機へ搭載することも視野に入れ、開発を進めていきます。これにより、スターダストプログラムが掲げる課題の解決にとどまらず、5Gや将来の6G通信の高度化などの宇宙インフラを支え、日本の宇宙開発に貢献してまいります。
ー 荏原グループについて ー
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
ご参考:二相流排熱システムについて(JAXA研究開発ページ)
本件や事業に関するご相談: 宇宙ビジネス推進課