荏原製作所(以下:荏原)の建築・産業カンパニーは、当社製ポンプおよび送風機の計13機種、80点のBIM※1オブジェクトおよび、2,413点のパラメトリックバリエーションを、世界で500万人以上の設計者や専門家が利用する建材・設備の3Dデータ共有プラットフォーム「BIMobject® 」※2にて、2025年9月2日(火)から国内向けに公開しました。
ポンプ・送風機のBIMオブジェクトをBIMコンテンツプラットフォーム「BIMobject」で公開
〜建築設備・産業設備市場における生産性と業務効率向上に荏原が貢献〜
1.背景
昨今の国内における生産年齢人口の減少をはじめとした、目まぐるしく変化する社会経済の環境下で、建設業界においては人手不足や高齢化、長時間労働、デジタル化の遅れなどの課題を抱えています。これらの課題を解決するために、生産性向上や業務効率化、さらなるDX化が求められています。
このような外部環境の変化を受け荏原では、2023年より製品別から対面市場別組織へと移行し、社会課題の解決に向けて事業を展開しています。建築・産業カンパニーでは、ビル・マンションなどの建築設備や、工場、データセンターなどの産業設備市場に向けて、ポンプや送風機の製造・販売・アフターサービスを手掛けています。
2.概要
このたび当社では、ポンプや送風機の導入を検討されているお客さま(設計者)の情報伝達や意思決定の迅速化の実現を目指し、国内向けにBIMオブジェクトを公開します。BIMオブジェクトの活用が進むことで、工事の円滑化による生産性向上や無駄なエネルギー使用の削減にもつながるものと考えています。なお、プラットフォームの選定においては、当社のグループ会社であるEPE(Ebara Pumps Europe S.p.A.)で生産した製品のBIMデータ公開実績があり、グローバルにサービスを展開している「BIMobject」を採用しました。
本サービスの導入により、利用者は製品の3Dモデルを無料でダウンロード※3し、形状や寸法、材料、仕様などの把握だけではなく、製品の強みや特長を視覚的に確認することが可能となります。
製品 | 用途 |
|---|---|
FS型片吸込渦巻ポンプ(2極) | 冷温水循環、冷却水循環、工業用水 |
FS型片吸込渦巻ポンプ(4極) | 冷温水循環、冷却水循環、工業用水 |
EVMS型ステンレス製立形多段ポンプ | 飲料水給水、給湯、工業用水、冷温水循環 |
EVMSL型ステンレス製立形多段ポンプ | 飲料水給水、給湯、純水製造装置用 |
EVML型ステンレス製立形多段ポンプ | 飲料水給水, 給湯, 純水製造装置用 |
EVMG型ステンレス製立形多段ポンプ | 工業用水、冷温水循環、クーラント、洗浄 |
EVML-R型ステンレス製立形多段ポンプ(大流量形) | 飲料水給水、給湯、純水製造装置用 |
EVM-R型ステンレス製立形多段ポンプ(大流量形) | 工業用水、冷温水循環、クーラント、洗浄 |
EVMG-R型ステンレス製立形多段ポンプ(大流量形) | 飲料水給水、給湯、純水製造装置用 |
FSDV型インバータ内蔵PMモータ搭載 片吸込渦巻ポンプ | 冷却水循環、冷温水循環、工業用水 |
LPDV型インバータ内蔵PMモータ搭載 ラインポンプ | 冷却水循環、冷温水循環、各種機械セット用 |
LPSV型インバータ内蔵PMモータ搭載 ステンレス製ラインポンプ | 給湯循環、冷却水循環、冷温水循環、各種機械セット用 |
SRM4型片吸込マルチエースファン (シロッコファン) | 給・排気、換気、各種機器の送・排風、冷却用 |
3.今後の展開
今後は利用動向を検証しながら、さらなる製品のBIMオブジェクト公開も検討してまいります。建築物における情報が連携・蓄積・活用できる社会の構築によって、建設業界の生産性向上と業務効率向上に貢献するとともに、AI(人工知能)などの先端技術と融合した新たな価値創造にもチャレンジしていきます。
ー 荏原グループについて ー
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
※文中の「○○○型」の表示は当社の機種記号です。
※1 BIM(Building Information Modeling):コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築すること
※2 BIMobject®は、スウェーデンの BIMobject AB 社の日本およびその他の国における登録商標です。
※3 「BIMobject」への無料会員登録が済んでいる方が対象