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Japan

国内初 -120℃対応の大容量 超低温フリーザ UDF4型を新発売 ~ドライアイス不足下のコールドチェーンを支える、“脱ドライアイス輸送”を提案~


超低温フリーザUDF4型 外観

 

荏原製作所(以下:荏原)は、-100~-120 °Cという超低温域を安定的に維持する超低温フリーザ UDF4型(以下:本製品)を発売します。本製品は、再利用型専用蓄冷剤と組み合わせて利用することで、従来のドライアイスを上回る保冷性能を発揮し、“脱ドライアイス輸送”を実現します。物流・食品・医療・研究分野で拡大するコールドチェーン(冷凍・冷蔵輸送)市場に対し、ドライアイスに替わる安定的かつ持続的な超低温輸送を提案いたします。


1.背景
近年、ドライアイスの原料である高濃度 CO₂を供給する製油所の閉鎖やコールドチェーン需要の拡大にともない、ドライアイスの国内供給が不安定化しています。その影響で物流・食品・医療・研究分野では安定調達とコスト抑制が大きな課題となっています。本製品と再利用が可能な専用蓄冷剤の使用は、コストの抑制につながるだけでなく、急拡大するコールドチェーン需要に応える新たな選択肢となります。


2.特長
(1)-120 °Cの超低温冷却(国内初※1
国内に流通する一般的な超低温フリーザ(-85 °C)を大幅に上回る-120°Cを実現。蓄冷剤を超低温で凍結・保持できるため、ワクチン輸送など厳格な温度管理が求められる場面でも長時間の温度維持が可能です。

(2)省スペース・ラストワンマイル支援
上部開閉扉を採用。前扉時の開閉スペースが不要なため、必要スペースを最小化。物流センターや医薬・食品倉庫の限られたスペースにも設置が可能です。フリーザ内で凍結した蓄冷剤を保冷バッグやクールコンテナに移し替えることで、配送車に積載した後も商品温度を −60 °C以下で長時間維持し、ドライアイスを使わないラストワンマイル配送を実現します。

(3)134 Lの大容量・最大60個の蓄冷剤を一括凍結・収納(Lタイプ 200×280×25mmの場合)
蓄冷剤を必要分だけ一括凍結できるため補充回数が減り、省人化。庫内に残した蓄冷剤により、停電時の保冷時間も延ばせます。

(4)繰り返し使える専用蓄冷剤
交換目安約2年の再利用設計で、ドライアイス使用時に比べランニングコストを最大70%削減(/年)。CO₂排出量と廃棄物の低減にも寄与します。

(5)BCP・災害時への活用
蓄冷剤と市販の保冷バッグで-60 °C以下の環境を48時間保持するため、停電時や被災地での食料の保管に活用できます。


3.仕様

項目内容
冷却性能※2-120 °C~-130 °C
冷媒特殊混合冷媒(HFC)
内容量134 L(有効容積122.5 L)
外形寸法W 920 × D 935 × H 1036 mm
質量205 kg
電源三相 AC 200V 50/60 Hz
消費電力最大3.0 kW/安定時2.7 kW
定格電流ピーク時10.5 A/安定時8.5 A

 

4.今後の展開
荏原は、長期ビジョン「E‑Vision2030」のマテリアリティ(重要課題)である「持続可能な社会づくりへの貢献」への解決・改善に向け、本製品と再利用可能な蓄冷剤の普及を進めてまいります。まずはコールドチェーンの拡大が著しい食品物流業界と、高精度な温度管理を求める医療業界を中心に本製品を展開します。さらに、災害時の避難所や建設現場での熱中症対策など、BCP用途への採用を自治体やレンタル機器会社に提案してまいります。

 

ー 荏原グループについて ー

荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。

 


※1 液体窒素を使用しない-120℃の超低温冷凍庫として国内初
※2 フリーザにより、冷凍・冷蔵される対象物への冷却効果を表す性能のこと