その世界有数の「資源国」の一つとして日本があります。日本には火山やプレートの境界などマグマがたまっているスポットが多く、地熱資源量は世界3位。未来のエネルギー大国となるポテンシャルを持っています。
それにもかかわらず、現在日本の地熱発電量は全体の0.2%しかありません。地熱発電所は建造に時間と費用がかかり、地中には有害なガスなども含まれるため地上で処理するためには安全性を十分考慮しなくてはなりません。荏原はポンプをはじめ、タービン・冷却塔・復水器など地熱発電所の主な装置のほとんどの技術を持つ稀有なメーカとして、地熱発電の進歩と普及を目指してきました。
現在、地熱の分野では大きなチャレンジが始まっています。それが「大深度/超臨界地熱」です。従来よりもさらに深い地中3km~6kmのマグマ溜まりに、400~500度の超高温の物質が発見されました。その正体はプレートが潜り込むときに引き込まれた古海水であり、液体でも気体でもない不思議な流体に変化しています。高温・高圧で、毒性・腐食性も非常に高い「超臨界地熱流体」ですが、1つのマグマ溜まりは原子炉30基分の熱エネルギーを保有していると考えられています。現在、日本では原子炉1基の10分の1ほどの地域発電量の可能性が示されており、大深度のマグマ溜まりに向けて掘削が始まりました。目標は2030年代のパイロットプラント。そして2050年代の大規模プラントです。