アンモニアは石炭との混焼であれば、既存の火力発電所をそのまま設備として使用でき、また燃焼してもCO₂を排出しません。しかも水素と比較して扱いやすいというメリットがあります。例えば「運搬・移送」。主にガスは温度を下げ、液化することで大量に運ばれます。常圧下で水素は-253℃まで冷やさないと液化しませんが、アンモニアは-33℃で液化します。さらにアンモニアからは水素を合成できるため、水素のキャリアとしても活躍の場を大きく広げています。2022年12月に発表された経済産業省のロードマップでは、アンモニアのエネルギー利用を2030年300万t、2050年には国内導入量3000万tとする目標を掲げているのです。