それは「燃やすだけではないごみ処理」というちょっと想像しにくい方法。挑戦する素材は「プラスチック」です。現在プラスチックごみは家庭ごみの15%を占めています。総量は824万トンで、およそ8割が「すでにリサイクルされている」状況です。しかしながらそのリサイクル方法は60%以上(510万t)が熱回収=サーマルリカバリー。燃やして発生した熱を有効に使うというものです。有用なリサイクル方法ですが、焼却の過程でCO₂が発生してしまいます。
一方で、CO₂を発生させないリサイクル方法も存在します。プラスチックを洗浄・粉砕し・粒状化したものを溶かして再利用する「マテリアルリサイクル」(177万t)や、プラスチックの成分を合成の途中段階まで分解して化学物資にする「ケミカルリサイクル」(29万t)など。つまりプラスチックごみリサイクルの未来は「サーマルリカバリー」をいかに「マテリアルリサイクル」と「ケミカルリサイクル」に置き換えていくかにかかっているのです。